グロスファクター(成長因子)注入療法
グロスファクターによるアンチエイジング
当院では、ヒアルロン酸に代わる新しい注入療法としてグロスファクターをイチオシにして多くの方からご好評を頂いており、今回その詳細についてご説明します。
1.グロスファクターとは?
成長因子または細胞増殖因子とも呼ばれ、体内の細胞増殖を促進する働きのあるタンパク質の一種で、肌などの組織の再生を促す効果があります。
PRP(多血小板療法)も自身の血小板の中にあるグロスファクターを利用した再生療法で、アンチエイジングではスタンダードな治療法の一つとなっています。
2.グロスファクター注入療法
近年人の組織から抽出したグロスファクターを使った製剤が開発され、難治性の潰瘍を治したり、骨の再生を促したりと通常の医療の現場でも使われるようになりました。
代表的な成分としてはFGF(線維芽細胞成長因子)があり、皮膚のコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸や脂肪細胞などを増殖する効果があるため、シワやたるみ・くぼみ・ニキビ跡などの再生治療に使われています。
ヒアルロン酸も同じような目的で使用されていますが、大きな違いとしてはヒアルロン酸は吸収されて常に一定の期間で注入し続けなくてはならないのに対して、グロスファクターは自己組織が修復されて再生していくため徐々に持続期間が延びていくという点が挙げられます。
注入する場所にもよりますが、ヒアルロン酸が3〜6か月ほどで効果が無くなるのに対して、グロスファクターも初回こそ持続期間が3〜6か月ですが、繰り返して注入することで徐々に持続期間が延びて3回ほどの注入で最長2年ほど持続します。
また、極細の針(34ゲージ)で注入が可能なため、内出血のリスクが少なく痛みや腫れも軽度で仕上がりも自然です。
特にヒアルロン酸では対処できない溝のようになってしまったシワに対して効果を発揮します。
3.PRPとの併用
グロスファクターは、PRPやPPPに添加して相乗効果を持たせることも可能です。
PRPやPPPがゆっくりと吸収されてグロスファクターを放出する徐放効果により、長い持続効果が期待できます。
当院では、PPPを注入する際にグロスファクターを添加して、さらにPRPと併用することで痩けたホホなどボリュームが必要な場合に非常に良い結果が出ており、2〜3回の注入で2〜3年は効果を持続しています。
4.リスク
問題となるリスクとしては濃度の調整が微妙で,あまり高濃度の溶液を注入するとしこりを形成したりすることで、学会でもグロスファクターによるトラブルが報告されその使用に否定的な意見もありますが、非常に良い結果も多く発表されています。
要は過剰な投与を避けて適正な濃度で使用することが重要とされています。
当院では注入部位に応じた濃度の調整によりほとんどの症例でトラブル無く、皮膚の下に軽いしこりを触れても表面上に出るような変形の発生は見られておりませんし、そのしこりも徐々に吸収されて元の状態に戻っています。
グロスファクター注入療法は、使い方一つで非常に有用なアンチエイジング治療ですので、ヒアルロン酸で結果に満足できなかった経験のある方はぜひ一度試してみることをお勧めします。